工房開設に伴いブログはこちらに引っ越しました。
エレキギター作りの入門用にHOSCOから売り出されているテレキャスターキットに挑戦です。
まさに挑戦。
右も左もわからないでやっているので挑戦という言葉が似合います。
#1のウクレレキットを組み立て始めてすぐに注文しました。
これは「作る」というよりは「組み立てる」と言った方がいいでしょう。
まずはキットの中身の紹介から。
では、組み立てを始めます。
土日は出かけることが多く、作業の大半が仕事が終わって家に帰ってから(早くて20時から)始まります。
電動工具はあまり持っていませんが、持っていてもあまり使うことができませんし、一応一戸建てなんですが、安普請ですので、大きな音が出る作業ははばかれます。
キットですので、それほど大きな音を立てる作業はなさそうなので気楽にできそうです。
最初の作業はヘッドの切り出しです。ネットで見つけたテレキャスターのヘッドデザインの製図をプリントして、ヘッドに貼付けて輪郭を鉛筆で引き、糸鋸をつかってぐいぐい切ります。ネックに傷がつかないようにタオルで養生してからクランプで作業台に固定して作業しました。 この程度のことでも、なかなかうまくできません。 こんなときに自分はとっても不器用なんじゃないかと思います。 そんな時が何度も何度もやってきますが、ちょっとづつ上手くできるようになればいいやと思って開き直ります。うっかり引いた線の内側まで切ってしまわないように慎重にやりました。 |
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ヘッドを切り出したらヤスリやサンドペーパーで形を整えます。塗装するときに楽ができるように#240くらいのサンドペーパーでなるべくキレイな木地にしました。 | |
ブリッジの位置決め。フェンダースケールは648mm。ナットから12フレットまでの長さがその半分。残りの半分の距離の場所にブリッジ(のサドル)が来ます。ボディーの中心位置がわからないので、ブリッジを置いて、物差しでボディーの両端から真ん中あたりの位置を探ったり、遠目に見て真ん中にブリッジがあるように見える場所を見つけたりいろいろとやってみて、まあ、だいたい真ん中かなという場所にブリッジを借り置き。 ブリッジの中心位置を鉛筆でボディーに印をつけて、ネックの中心を結んだ線上のボディーのネックの付け根部分にも印をつけました。 |
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パーツを仮置きしたところ。たまにこうやって出来上がりのイメージを見るとやる気が出てきます。 | |
弦を通す穴をあけます。ブリッジの位置が決まったので、ブリッジの弦通し穴をシャーペンでボディーに写し取って、まずはボディーの表から1.5mmの下穴をあけました。ボディに対して垂直に穴をあけないと、貫通したときに不揃いになるので慎重に。 1.5mmのドリルの刃が短いのでボディーを貫通できないため、3mmのドリルで貫通させました。ボディーの裏にはストリングブッシュがはまります。これが直径9.5mmですが、同じ径のドリルがないので、後日ホームセンターで購入しました。 ストリングガイドの穴は深さが10mmくらい。横一列に等間隔で同じ深さの穴を6つあけなければなりませんが、慎重にやったのにも関わらず穴の位置が少しぶれました。 塗りつぶし塗装にするつもりなので、パテとヤスリを使って、きれいに並ぶように誤摩化しました。(それでも若干ズレています) |
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ネックのヘッドにはデカールを貼ります。 デカールを貼った後ではサンディングができないので、 先にサンディングをして下地作りをします。 今回はこの木部用プライマーというのを吹き付けました。 |
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デカールです。フリーのドロー系ソフトでベジェ曲線が描けて使い易いものを探しましたが見つかりません。 一晩悩んだ末に思い付いたのが「誰かに頼む」でした。 こんなことを気持ちよく引き受けてくれる人は僕の周りには一人しかいません。 iPhoneとiPadのアプリケーション(無料版2種類、有料版2種類)を開発したときにアイコンなどのデザインをしてくれた友達です。やってもらうばかりでなかなかお返しができません。今回も一日でサクっとやってくれました。うちにはウサギがいます。名前はスイートといいます。ウサギの前にはハムスターがいましたが、その子の名前もスイートでした。4本足の動物の名前はスイートという決まりがあります。デカールのデザインは、ウサギのイラスト画像をメールに添付して「添付の画像をトレースして」「輪郭は2pxと4pxで影を付けたような感じにして」「Fenderみたいな書体で僕の苗字を並べて」「最後の i の点を赤くしてウサギの目にする」 みたいな注文をして依頼。それが翌日完成。修正無し。出来たデザインをA6サイズの紙に収まるように4種類くらいのサイズで裏表反転させたものをいくつも並べてもらったものをPDFで送ってもらいました。 電気量販店のパソコンサプライ売り場で転写シールを買ってきて家のインクジェットプリンターで印刷しはさみで一つだけ切り取ってヘッドに貼りました。 貼り方は転写シールの説明書通り。シールが乾いたのを見計らってクリアラッカーを吹いて一晩放置しました。 |
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何度かクリアラッカーを吹いて、クリアの層を厚くしてから、転写シールと木部の境目の段差を取ろうとサンディング。 左の方の段差をチマチマと削ってたんですけど、持っていたサンドペーパーが掌あたりで右の方を削ってました。ウサギの尻尾の辺りを。写真はデカールをサンドペーパーで削っているところです。 やり直しです。注意しててもやっちゃいます。こういう失敗。 注意してたつもりって書いた方が正確かな。 注意してなかったということです。 |
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貼り直したデカール。 もう少しヘッドの外周近くに貼れば良かったです。ストリングガイドで一部が隠れてしまうかも。(見なかったことにして先に進みます)今度は前回よりもクリアラッカーを厚塗りしました。塗装をするときは、部屋の窓を全開にして、軒先に木ネジで引っ掛けるところを作って、クリーニングを出したときに付いてくる針金ハンガーをペンチで切ってフックを作り、ペグの穴にフックを引っ掛けて、軒先に吊るし、部屋の中から外に向ってスプレー缶の塗料を吹きます。風が強いと塗装はできませんので、なるべく風がないときを狙って塗装をするんですが、それでも少し風があるだけで、塗料が対象物に届く前に飛んでいきます。もったいないです。 |
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乾燥は部屋の中です。シンナー臭くなりますが、ここしか乾燥をさせる場所はありません。冬でも窓を開けたまま寝ているので、シンナーの臭いはすぐに気にならなくなります。 | |
ボディーの方は砥の粉で目止め(2回)をした後に、#240と#400でサンディングして表面を整えて木部プライマーを吹き付けた後、アイボリーのラッカースプレーで塗装です。なかなか塗料が乗らず塗装膜が厚くなりません。数回重ね塗りをした後、クリアラッカーを吹こうと思って、下地調整のサンディングをしたら簡単に地肌が露出してしまいました。塗装のやり直しです。塗装をやり直してから、下地調整をやろうと思ったら、無視できない(無視したくない?)凹みを見つけてパテで修正しました。 なのでまたサンディングからやり直しです。 |
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ネックのクリアラッカーが乾いたので、ペグをつけるためのネジ穴をあけてペグを仮付けしてみました。ネックは後で磨くのでペグは外します。 出来上がりのイメージを見ないと落ち着かないので、ときどきこういうことをします。 |
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デカールとシールの段差です。一度失敗して貼り直したデカールです。 数日前に一度シールの段差をサンドペーパーで削りましたが不十分だったようで、まだ若干段差があります。気に入らないのでもう一度段差を削ってクリアラッカーを吹きます。 |
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デカールのシールの段差が気に入らないので、木の切れ端にサンドペーパーを両面テープでくっつけてゴシゴシやりました。周りの木までゴシゴシやってしまったので、全体をゴシゴシし直しました。この後、クリアラッカーを吹きました。 クリアラッカーはホームセンターに行って買い足してきました。失敗して買い足してがこれで2回目です。 |
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フレットの擦り合わせです。道具はアルミのアングル材に#400のサンドペーパーを両面テープで貼り付けたもの。 アルミのアングル材は4mも買ってしまったので、あちらこちらで使っています。 |
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フレットのてっぺんを丸めます。使っているのは専用工具です。最初のころは専用工具は高いなと思っていましたが、いろいろ見ると普通の工具も良いものは高いですね。道具は大切に使いたいものです。指板は水平が出ておりフレットもほとんど高さが揃った状態でしたが、12フレット以降、22フレットまでが緩やかに低くなるように高さを調整しました。弦高さが下げられると弾くのが楽です。 | |
磨き作業に入ります。何度も塗り重ねたクリアラッカーの表面を耐水ペーパーで水研ぎして、テカテカとゆず肌のような状態がなくなるまで研ぎます。一度デカールを削ってしまったので今回は慎重にやります。 | |
コンパウンドで磨きます。最初は研いだときに出来た細かな線が消えるくらいまで粗めのコンパウンドで。 単調な作業なので飽きてきますが我慢してやります。 |
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仕上げは0.2ミクロンのコンパウンドで磨きます。鏡のようになります。 | |
もっと頑張ってもいいかもしれませんが、これで満足です。 | |
指板にオイルを塗ってネックは完成。 ペグを止めるネジ穴はすでにあけてあるので後はペグをネジで止めるだけです。ボディーの塗装がなかなか終わりません。色付けした後で塗装面を平にしようと思って空研ぎをしました。表を研いで、裏を研いで、側面を研いで、おお、いいぞいいぞと思ってたら、ネックポケットの裏の角が一カ所だけ塗装が禿げてました。たぶん研いでいるときに、机のどこかに当たって擦れたんでしょう。不注意でした。 ボディーは塗装が剥がれたところの周辺だけ色付け塗装をやり直して乾燥待ちです。この日はここまで。 |
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不注意でボディーの角の部分の塗装を削ってしまったので塗り直しました。全体を空研ぎしてやっとクリア塗装に入りました。なんとなく色がにじんだようにまだらに見えるのは、きっと目が疲れているからでしょう。(やり直しかなぁ)(2011/12/14記)何日かかけて、何回かクリア塗装をして、しっかり塗料が乾いたら磨き作業です。早くパーツの組付けをして完成させたいですが、焦ってもロクなことがありません。焦ると技術の未熟さ故、確実に何か失敗をします。振り返ってみると、失敗をするときって、なんとなく心がざわつく感じがします。不安だったり、落ち着いていなかったり、準備が不十分なのを承知で無理をしようとしたり。だいたいいつもそんな心の状態です。 そういうことをわかっていながら、また失敗を繰り返すわけです。 愚かなことです。(2011/12/14記) |
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写真無し | 目が疲れているせいではありませんでした。塗装面が平じゃなかったからでしょうか?黄色い斑が出ていたので、塗ったクリアをサンディングして剥がして塗装面を整えました。うまく行かずにやり直しが多いので、なかなか塗装が終わりません。(2011/12/15記) |
また塗り直しです。一部ですけど。クリアを一度塗って、軽く磨いたときにエッジの色を剥がしてしまいました。(2011/12/25記) | |
1回目のクリアが塗れました。色を剥がすのが嫌なので何度もクリアを吹いて乾かしを繰り返して、少し厚く塗りました。#800のサンドペーパーでクリアの凸凹を慣らして、2回目のクリアを吹いて乾燥中です。(2011/12/29記) | |
最終のクリアを吹き付けてから5日立ちました。そろそろいいだろうということで、ボディーの仕上げに入ります。
どうも塗装のノリがとても悪いようなので、消極的に#800のサンドペーパーから水研ぎを始めます。 水にはいただきものの手作り石けんを入れて、サンドペーパーの目詰まりを防ぎます。 手作り石けんはとてもいいですね。ほとんどが天然成分でできていて、石けん1つで髪を洗って、身体を洗って、ひげ剃りにも使える。自分で作ればコストもそれほど高くないようですし、製造工程をすべて手中に収められるというのは、これ以上の安心はないです。 石けんの作り方は友人がブログに書いてくれています。こちら。 |
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塗装面は完全な平坦ではないので、所々こういうキラキラ光る部分があります。これがなくなるまで徹底的に研ぎます。 | |
#800の次は#1000のサンドペーパー。#1500を買ってなかったので代用しました。
#800が木目方向に研磨したので、その研磨後を消すように木目に垂直方向に研磨しました。 |
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次は#2000のペーパーで研ぎます。今度は木目方向にやりました。 | |
自動車用品店で買ったコンパウンドで磨きます。まずは粗めのコンパウンドで水研ぎしたときにできた磨き後が消えるまで磨きます。 | |
粗めのコンパウンドで磨いたときの映り込みはこんな感じ。 | |
鏡面仕上げ用のコンパウンドで磨きます。粗めのコンパウンドとこのコンパウンドの間に、中間の細かさのコンパウンドを挟みたいところですが持っていません。少し時間はかかりますが、このコンパウンドでグイグイ磨きます。 | |
ボディーに映り込んだ電球の傘の文字が読めるくらいまで磨きました。
ここで問題が発生。 角の部分の塗装が剥がれたところがいくつかあります。食い付きが悪かったんでしょうか。 自分ではかなり丁寧に磨き作業やマスキングテープ剥がしをしたので問題はなかったの思うのですが。 いずれ塗り直すことにして、今回は諦めて先に進みます。 |
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塗装をしたのでストリングブッシュの穴が狭くなっていました。熱くなったハンダゴテでストリングブッシュを押し込みました。塗装が溶けてヌルヌルっとストリングブッシュが入っていきます。
ブッシュの穴が綺麗に直線上に並んでいないのがわかります。 この部分も塗装が乗っていません。少し荒れました。 |
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ノイズ対策用に銅板をパーツが収まる穴の内側にはります。張り合わせた部分はハンダでくっつけます。
配線用の穴の位置がわからなくなって少し戸惑いましたが、指で触って穴を見つけて尖ったもので突いて銅板に穴を開けました。 |
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弦アースはブリッジにハンダ付け。ピックアップ、コントロール、ジャックをすべて配線しました。 | |
ナットの取り付け。
瞬間接着剤をつけてハメようとしたら入らない。 慌てて接着剤を拭き取って、ナットの厚みをサンドペーパーで調整しました。 |
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キットのナットはプラスチック製。弦の溝も浅いので専用のヤスリで弦の太さにあった溝を切ります。指板のRに合わせて、目視で深さを慎重に確認しながらの作業です。ヘッド側には少し傾斜を付けて切ります。
この専用のヤスリは10本セット。高いですね。 |
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1フレットで弦高が0.8mmくらいになるように溝を切ってナットを接着しました。
ナットを外すこともあるので、すぐに外せるように瞬間接着剤を3箇所にちょっとだけつけてハメ込みました。 |
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ストリングリテナーを付けます。もう少しナット寄りが良かったんですが、デカールに被ってしまうので妥協しました。
デカールをもっと外側に貼れば良かったんですが後の祭りです。 |
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ストラップピンを付けて、弦を張り、弦高調整とオクターブ調整をして完成。 | |
思いのほか時間がかかってしまいました。
時間がかかったのは塗装に失敗したから。何度も塗装を剥がしては塗りの繰り返しでした。塗装に関しては反省点がたくさんあります。スプレー缶をよく温めてよく振ってから塗装しました。これは徹底したんですが、どうにもこうにも塗装のノリが悪い。自分ではちゃんとやってるつもりなので、なぜうまく行かないかがわからなくて戸惑いました。もう2ヶ月くらい塗装に時間がかかっているので、完全ではないにしろ、重ね塗りのときも塗装はかなり乾いていたと思うんですが、すぐに剥がれてしまいます。磨きの行程でもちょっと触っただけで、何箇所か誤魔化しきれない場所の塗装が剥がれました。自分のせいかもしれませんが、もしかするとホームセンターで買った安いラッカースプレーにも問題があったかもしれません。いずれ気が向いたら再塗装をしようと思いますが、その時は別のラッカースプレーを使ってみようと思います。 肝心の音ですが、1万5千円のキットは悪くないですね。いいアンプで大きな音を出した時にどうなるかはわかりませんが、いつも使ってるアンプで慣らした限りでは、上の写真で一緒に写っているYAMAYAのギターよりずっと良く鳴ります。クリアな音はブライトな感じ、クランチさせた音もオーバードライブさせた音もいいです。もっとジャラジャラした軽い音だと思っていましたが、割と上品な音ですよ。これは悪くない。安くていいギターが欲しいなら、このキットをベースにきっちりと組み上げるのは悪い選択肢ではないと思います。 自分の好みから言えば、フレットが少し高いかな。すぐに慣れちゃうので気にならなくなるかもしれませんが、もう少しフレットが低いと弾きやすいです。 もっといい弾き手が弾いたらどういう乾燥になるかはわかりませんが、Al DiMeolaやLarry Carltonの曲(弾ける曲があまりないので覚えている数曲)を弾いてみましたが、音もよく伸びるし、低音から高音までバランス良く音が出てます。 失敗が多く見た目はあまり良いギターではありませんので、自己採点は100点満点で20点ぐらいかな。たくさん勉強させてもらいました。組み立てにあたっては、Stork Guitar Labのこーのさんのページをかなり参考にさせていただきました。こーのさんのページにはとてもアマチュアとは思えない程素晴らしい作品が並んでいて溜め息が出ます。まだまだ当分は足下にも及ばないと思いますが、今回の失敗を糧にして、良いギターが作れるようになりたいと思います。 |
アイボリー良い色ですね^^
どこのメーカーのラッカースプレーですか?
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こんにちは。コメントありがとうございます。
アサヒペンのラッカーを使ったと記憶しています。
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おはようございます。
返信ありがとうございます。
アスペンラッカースプレーですよね?
自分もギターいじりが好きで色々とやってます。
ギターいじり楽しいですよねー^^
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そう!それです!
乾きがあまり良くない感じだったので、オススメではありませんが。
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そうですね。
何度か使った事が有りますが、確かに乾きが悪いですね~
ラッカーってこんな物なのでしょうか?
おすすめが有りましたら教えて下さい。
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ペンキ屋さんで業務用を買ってエアガンで吹くというのがいいですね。ちょっとハードルが高いですけど。僕は最近は漆とシェラックしか使ってません。
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漆とは恐れ入りました。
シェラックはまだネックにしか使った事が有りません。
KAZZさんはもうプロの域ですね^^
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漆もシェラックも仕上げに時間がかかりますが、良い仕上がりになるし薄塗りにできるから気に入ってます。
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