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#13 Martin 000タイプ p.01

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これまで変形ギターというか、自分が勝手に理解解釈した(つもり)のギター作りばかりをやってきましたが、今回は標準的なというかお手本になるというか、マーチンの000(トリプルオー)タイプのギターを作ってみようと思います。

13_Martin_000_1_001 材料が揃いました。木材はアイチ木材さんから、トラスロッドやバインディング材などの小物は大和マークさん、ペグはGuitar Worksさんからの購入です。スタンダードな材料を選びました。当初は出来合いのロゼッタ(木製)を埋め込もうと思っていましたが、少し贅沢に貝を入れるなど、若干の修正はありますが、予定通りスタンダードな作りをしようと思います。(2013/01/30記)
 13_Martin_000_1_002 初めて作る型なのでテンプレート作りから。2mm厚アクリル板に製図から輪郭線を写して、糸鋸で切って行きます。
 13_Martin_000_1_003 薄いアクリル板なのでザクザクと切れるんですが、調子に乗って切ると、アクリルと糸鋸の刃の間の摩擦熱でアクリルが溶けて固まり刃を噛んでしまいます。少し切ったら少し刃を止めて熱を逃がしながら切り進みます。替え刃の手持ちがないので、刃を折ったら作業中断という状況なので慎重になりました。
 13_Martin_000_1_004 切り終えたところ。
 13_Martin_000_1_005 ヤスリで輪郭を製図通りに削ってテンプレートは完成。
 13_Martin_000_1_006 次はモールド作りです。作ったばかりのテンプレートを12mm厚のMDF板に当てて輪郭を写し取ります。今回はこのMDF板の型を上下にして、間はファルカタ材を挟む方式にします。8号機のモールドと同じ方式になります。
 13_Martin_000_1_007 糸鋸で切り抜いたところ。
 13_Martin_000_1_008 ヤスリやスクレーパーを使って内側の面を平らにしたところ。ここの形状は製図通りにしなければなりません。内側の形状に合わせて、外側を切り取って成形し、それをあと3枚作ります。(2013/02/11記)
 13_Martin_000_1_009  一枚成形できました。幅は35mm程度です。MDF板は鋸、ヤスリ、鉋、小刀などの道具が使い易い材料なので、割と加工が楽です。僕の場合、糸鋸で切り抜くわけですが、重力の働く方向に刃を切り降ろすように鋸を引くと、材に対して直角に切り易いです。この程度の厚みの材であれば、ほぼ直角に切れて修正も少ないです。
 13_Martin_000_1_010  1枚目を基準にして残る3枚を切り出し、重ねて成形します。ときどき順番を入れ替えると形状にバラツキがなくなります。
 13_Martin_000_1_011 ピッタリ同じ形の4枚ができました。0.5mmのシャーペンで輪郭を描いて、糸鋸で切り出すときはその線より1mmくらい外側に刃を入れていきます。4枚揃ったところで、線が消えない程度までヤスリで削って、最後に線が消えるところまでサンドペーパーで徐々に削っていきます。そんな手順でやると、ほぼ完璧な製図通りの形状になります。
 13_Martin_000_1_012 20mmのファルカタ材を3枚重ねて接着したものを橋桁のように2枚のMDF板で作った型に挟んで接着します。これで厚みが84mm。作るギターの厚みが、最も厚いところで105mmなので、その75%以上の厚みが確保されます。ファルカタ材で作った部品は、先に下に置いたMDF板の型に接着し、ボンドが硬化を始めて動かなくなった頃合いを見計らって上のMDF板の型を乗せます。せっかくぴったり同じ形になった型ですから、ここは慎重に上下が同じ位置になるように合わせます。写真はスコヤを当てて上下の型の位置が合っているかを確認しているところ。ボンドがヌルヌルしている間に微調整し、ボンドが硬化を始めて落ち着いたらクランプで圧着します。
 13_Martin_000_1_013 クランプで圧着してしばらく経ったら、ネックのヒール部とテール部を固定する板を取り付けるボルト穴を開けます。この後、モールドの内側のボディが当たる面をヤスリやサンドペーパーで削って滑らかな面にして、ボルトで左右の型を固定して完成です。表板や裏板を接着するときにスプールクランプを使うかどうか迷うところ。もしスプールクランプを使うなら、スプールクランプの軸を通す穴をモールドに開けないといけません。追々考えます。(2013/02/12記)
 13_Martin_000_1_014 会社の帰りに横浜の東急ハンズに寄ってボルト類を買ってきました。モールドの左右の枠をボルトで固定して、内側の面をサンドペーパーで完成。満足できる仕上がりになりました。(2013/02/13記)
13_Martin_000_1_015 さて、プロジェクトの再開です。月日の経つのは早いです。もう5ヶ月も休んでいました。

最初に購入したローズウッドの側板材の厚みを落としたときに、製材時の傷が消えるまで鉋掛けをしましたが、それだと側板の厚みが薄過ぎることがわかって、すぐに変わりの材料を注文して届いたのがこれ。

今回は側板材についてはアイチ木材さんの方で厚みを落としてもらいましたが、鉋掛けして、もう少し厚みを落とします。

13_Martin_000_1_016 裏板材です。

ここではハイス鋼の鉋が大活躍。すいすい削っていけます。こんなに快適にローズウッドを削れるなら、もっと早く手に入れておけば良かったと思える道具です。

13_Martin_000_1_017 多少サンディングして厚みが落ちるので、少し厚みを残して鉋掛けを終了。組み上がったときは2.8mm〜3.0mmの間くらいに調整するつもりですが、ここでは3.2mmくらいにしておきました。
13_Martin_000_1_018 接ぎ合わ面を長台鉋でまっすぐにします。これがなかなか真っ直ぐにならない。ほんの少し力の入れ具合がブレるだけでデコボコになってしまいます。

ここは鉋だけで仕上げたいところなんですが、今の僕の腕では無理。最後に少しサンドペーパーで削って接着面を平らにしました。

13_Martin_000_1_019 エボニーとメープルで作られたセンター材を挟んで接着。このまま半日くらい放置します。
13_Martin_000_1_020 ボンドが硬化しました。

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