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#08 PRS Custom 22 Hollow Body p.01

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5号機はまたもPRS。今回はセミホローボディにして、セミアコのようなアーチトップを乗せようと思います。4号機が重くてガツンとした音を狙ったのに対して、甘く柔らかい音が狙いです。セミホローボディーといっても、ボディの厚みも4号機より1センチほど厚くして、たくさん中をくり抜いてボディの空洞部分の容積を得ます。
いつものように木材はアイチ木材さんから購入しました。指板は4号機がエボニーだったのに対して今回はローズウッドにしました。2種類の指板材をランク違いで購入してみたところ、上のランクのものの方が木目が整っているので、今回はそれを使おうと思います。
  パーツ類はGuitar Worksさんからの購入。今回は弦をボディーに通す形式なので、ストリングガイドとストリングブッシュを買っています。今回のギターはセミアコのような構造で、蓋付きのコントロールキャビティがないので、サウンドホールからパーツ類をボディの中に入れる関係から、ポットなどは小型のものにしています。
   ボディのバック材のマホガニーは前回よりも木目が揃っていて綺麗です。48mmの厚みで届きましたから、これを40mmまで鉋で削ります。トリマーで介添えしようかなと思いましたが、せっかく良い鉋を入手してしっかり刃を仕上げたので、鉋だけで楽しみながら削っていく予定です。 冷房のない作業部屋なので、たくさん汗が出ます。汗が木に落ちないように気をつけて作業します。(2012/07/30記)
  さっそく鉋掛け。
48mmのマホガニー材を40mmちょっとまで削ります。
研いだばかりの鉋の刃がよく切れますが、それでもこれだけの厚みを削るのはけっこう大変です。(2012/07/30記)
  週末にトリマーを使ってボディの切り抜きと彫り込みをする予定です。トリマーでボディの外周を削るときに楽ができるようにドリルで穴を開けておきました。トリマーが暴れてテンプレートもろとも削ってしまうと、せっかくのテンプレートが役に立たなくなるので、用心のための処置です。ボディの内側はブリッジが取り付けられる部分と弦を通す部分、ネックの接合部の部分を製図して、輪郭をノミで彫っておきました。トリマーのコロが当たるところまで、後日もう少し彫り込みます。(2012/08/02記)
  この週末に、ボディの切り抜きと一緒にトラスロッドの溝も掘っておこうと思います。ネックの中心線を毛引き(バインディングカッター)で引いてから、トラスロッドの溝の寸法がわかるように鉛筆で印を付けておきます。
  ヘッドには薄い板を貼るので鉋で平面を出しておきます。(2012/08/03記)
  さて土曜日です。音の大きい電動工具が使えます。ちょっとスタートが遅くて陽が沈みそうなタイミング。できるところまでやります。まずはトラスロッドの溝彫り。ネックに関して言えば、この作業だけがトリマーを使いますが。(トリマーを使わずに加工するということもいずれやってみますが)1ヶ月程前に安い作業台を買いました。ネックを挟んで固定できるので便利です。この作業台はこのためにあると言ってもいいかもしれません。
  深さは11ミリですが、いつもコンマ5ミリほど深く彫ります。
  ボディのテンプレートをアクリルで作ったので早速それを使ってボディのトップ材を切ってみます。結論から言うと失敗です。コロ(ベアリングが入ってる)付きビットのコロをテンプレートに当てて削って行く訳ですが、トリマーの熱でコロのベアリングが固まりそうになって熱を持ってアクリルのテンプレートを溶かしてしまいます。ほんのちょっとだけですが、これではテンプレートが役に立ちません。何度か休憩を入れて、ベアリングに注油しながらの作業でした。次回からはこの方法でやらないと思います。けっこうテンプレートを作るのに時間がかかったので、少しもったいない気がします。
  テンプレートが溶けた部分はフリーハンドで削りました。若干、歪んでしまいましたが、修正が効く範囲です。
  本当はこの分厚いバック材をテンプレートを使って切りたかったんですが、ご近所さんに煩いというクレームをいただいてしまい、トリマーの使用は当分自粛します。ということでこちらは糸鋸で地道に切ります。
  切れました。これをトップ材をネジで固定して、トップ材の外周と同じ形に成形します。
  ここで使う道具は鉋と小刀です。ギター職人の田中さんに頂いた良く切れる道具ですが、それでもこの作業は時間がかかります。
  ここまで4時間くらいかな。右手の指の皮が何箇所か剥けましたが、気にせずに次の工程へ。
  トップのアーチを削ります。製図をボディに当てて、アーチの等高線と、ブリッジを固定する穴、コントロール類を取り付ける穴、サウンドホールの形を写します。サウンドホールは正面から見たときの形を維持するために、アーチを彫っている途中でもカッターで切り込みを入れていきます。この部分はアーチ状に削った跡になると、角度がついてしまうので製図を当てても正面から見ると形が違って見えてしまいます。
  PRS独特のこの部分は大雑把に小刀で削っていきます。ここではまだ大雑把に。仕上げるのは最後の方かな。
  アーチは鑿でガンガン行きたいところですが、鑿を叩く音も煩いと言われているので静かに細工用の鉋で。こういう小さい鉋を握りしめて削っていると手が痛くなりますが、時々手を休めながら黙々と削ります。
  5時間程削ってこの程度。まだ表側の2〜3割程度でしょうか。まだまだ時間がかかります。今回のギターは裏側も削るので、そこからさらに時間がかかります。西日のさすこの部屋は暗くなってもしばらくは30度以上の温度ですから、水分補給をしながらの作業になりますが、あまり汗が出て木にかかってしまうのも嫌なので、水分補給を控え目にします。ときどき頭がくらくらしてきますが、そうなったら休憩。そんなことの繰り返しです。昨年の11月からギター作りを始めて、冬でも作業していると暑いのに夏になったらどうなんだろう、きっと猛烈に暑いんだろうな、なんて思っていましたが、予想通りめちゃめちゃ暑いです。今日はここまで。(2012/08/06記)
  写真で見ると昨日とほとんど変わってないように見えますが、これでも結構削りました。今日は主にベース側のクビレの部分を中心に削りました。あと2mm削ったらトレブル側を削ります。もっと大きな鉋だと一度にたくさん削れますが、クビレの部分の湾曲がちょうどこの小さな反鉋の湾曲と同じくらいなので、この部分はこれで削って行こうと思います。(2012/08/06記)
  鉋が使えないところは小刀で。頂き物の刃物です。よく切れます。職人さんがいい刃物に拘る気持ちがなんとなくわかってきました。削るスピードがぜんぜん違う。
  小刀、初弘の反鉋、四方反鉋だけでここまできました。だいたいの形ができたので明日からPRS特有の複雑な曲面を作っていきます。裏側もあるので最終型一歩手前までやります。今日はいくらか涼しかったので4時間休憩無しで集中できました。明日も涼しいといいな。(2012/08/08記)

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