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#05 オリジナルギター(エレアコ)p.01

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ギター制作第2段は僕にとっては少し無謀な企画かもしれません。ちゃんと出来る気がまったくしません。
持っているギターのほとんどがハードケースに収まったままです。狭い部屋ですので、スタンドにかけて置いておくと、うかり蹴飛ばして倒してしまうのが心配だし、湿度や温度の変化に晒すのが嫌だし、何よりそんなにギターを弾く時間も多くないので出しておく意味を感じません。それに出したりしまったりするのは面倒くさいです。いつも視野の中にギターが入るような状況なら、もしかするともっとギターを手に取る機会が増えるかもしれませんし、もう少し演奏も上達するかもしれませんので、ギタースタンドを作って置き方も考えないといけないと思います。

一番よく弾くギターがYAMAHAのサイレントギター。
たいていギターに触るのは平日の夜ですので、これなら音が小さくてご近所さんに迷惑がかかりません。
またボディーが薄いので壁に寄りかかったり、寝っ転がったりしながら弾く事もできます。季節がいいときはそのまま抱いて寝ちゃったり。
ちょっとまじめに練習しようと思った時は、OvationやPRS、Fender Stratocasterなどを出して弾きますが、最近はそういうこともめっきり減りました。Taylor T5なんかはもう2年ぐらい弾いてないかもしれません。
YAMAHAのサイレントギターはナイロン弦のモデルです。これだと指でピッキングして弾くことが多いのですが、ピックで弾き易くて、出しっぱなしにして練習用として気軽に弾けるギターが欲しいなと思っていました。
テレキャスターキットに始まったギター作りですが、1号機は、まあ、言ってみれば普通のエレキギターで、Fenderスタイルの構造で、最初にとにかく作ってみよう、なるべく難易度の低いものを作ろう、というのがテーマでしたが、2号機は1号機で取り組めなかったこともやってみたいので、練習用ギターの制作を題材にしていろいろとやってみようと思います。
コンセプトは、
1)軽いこと
2)アンプを通して鳴らすギターであって、なおかつ生音でそこそこ音の大きさのもの(夜でも練習できる)
3)弾き易いこと(僕が一番重視しているポイントです)
4)1号機でやれなかったことが一通り試せること
です。
1)と2)については、所有しているOvationより少し寸法も音も小さいのがいいと思いました。
3)については、YAMAHAサイレントギターを良く弾くのはボディーの薄さと関係があると思っているので、ボディーの薄いギターがいいと思いました。
4)1号機でやれなかったことは、セットネック、バインディング、パーフリング、側板曲げなどのアコースティックギターの制作に必要なものがほとんどです。それに加えてインレイ加工でしょうか。
で、やっぱりエレアコになるわけです。
ただし、ただのエレアコだと、ヒネリが足りないので、ちょっと変わったエレアコを作ることにしました。
  木材関係はアイチ木材さんから購入しました。注文した翌日の午前中に届きました。速い!まずボディー材ですが、表板はシトカスプルース、側板と裏板はアフリカンマホガニー。
ネック材はハードメープルのヘッド角度付きのもの。接ぎ合わせてあるものです。
指板はインドローズ。ブリッジ材もインドローズです。
ヒールブロックとエンドブロックはアフリカンマホガニー、その他はスプルースです。例によってすべて一番グレードの低い(安い)材です。マホガニーの薄板を曲げるのは難しいと聞きましたが、やってみてどうしてもダメなら他の種類の材を買おうと思います。
  金属系のパーツはGuitarWorksさんから購入しました。こちらも注文の翌日に到着しました。前回もそうでしたが、GuitarWorksさんは納品がとても速いです。
ペグはGOTOHのグローバータイプ、トラスロッドはダブルトラスロッドです。
(写真に写ってるネジ類は1号機で使います)
  貝は高いので諦めました。セルロイド製のなんちゃってパール材やメキシコ貝風のパーフリング材、その他諸々です。フレットはミディアム/ミディアムです。ナットとサドルは牛骨です。(ホームセンターで売っている真鍮で手作りするかもしれません)
  1号機を作りながら、手が空いた時間に作っていたモールドです。PRS Custom 22の現物から型を取りました。
3層でできている真ん中の層は赤松集成材。ワークテーブルを作った時の赤松集成材(12mm幅)が余っていたので、4枚を接ぎ合わせてから糸鋸でくり抜きました。これが初めてのブックマッチ加工です。笑。あんまりきれいにできませんでした。
写真では下になっていますが、本来は上にして使う第1層はファルカタ材。第3層は端切れのファルカタ材を適当な間隔で貼りました。
この状態で厚みが5cmありますが、作るギターは厚い部分で5cmぐらいにしようと思うので、作業性を考えると少し厚みを落とした方が良さそうです。スプールクランプのボルトを通す穴も開けた方がいいかもしれません。
  紙を貼って側板の長さを計測しました。短い方(写真では右側)が63.5cm程度、短い方(写真では左側)が72.5cm程度でした。
ボディーのネック側の角の部分。側板を曲げられる気がしません。
曲げられる気がしませんが、とりあえずやってみて、ダメそうだったら尖っている部分だけマホガニーのブロックにするかもしれません。幸いボディーが薄いので購入したヒールブロックやエンドブロックが余りますから、材料はなんとかなるかもしれません。いずれにしても、とりあえず曲げてみるので、ベンディングアイロンを自作するなどして準備しないといけません。
1号機のときも思いましたが、準備の時間が8割、実際の加工の時間は2割程度ではないでしょうか。道具や治具が揃ってくると準備の時間が少し減るはずなので、全体の作業時間が短縮されるかもしれません。(2011/12/28記)
色は青がいいか、黄色がいいか、赤がいいか。あるいは家具みたいにチークにしようか。そんなことを悩むのも楽しいです。今回も1号機同様にワシンのボアステインで着色するつもりです。
表板はシトカスプルースでトラ目が出ているわけではありませんので、右の写真のCustom 22のような見栄えにはなりません。薄いトラ目の出た材を貼るという手もあるかもしれませんが、表板が厚くなると音も出なくなりそうです。
しかし出来るかなぁ。かなり心配です。(2011/12/28記)
  まだ制作の準備が全部整っていませんので、できるところから少しづつ始めます。まずは表板と裏板の接ぎ合わせ。
接ぎ合わせる面を平らにするために、2枚を同時に平らなテーブルの上に置いたサンドペーパーで削っていきます。
裏板のマホガニーはほとんどそのままで行けそうなくらい平らな面が出ていましたが、念のために平面出しをしました。写真は表板のスプルースの方です。
  作ったばかりの治具を使って接着です。裏板から。大した治具ではないですが、詳細はこちらのギター作りに使う道具のページで。
  接ぎ合わせのボンドが乾くまでの間に、キットのクリア吹きをしたり、部屋の掃除をしたり、簡単な製図をしたりしています。起きている間は空き時間を極力作らないにしています。ブリッジの寸法を最終型に近い現物から寸法を取りました。パーツを入手したらまた寸法取りはやり直して、必要であれば製図を書き直します。

ネックの差し込み角は3度に設定しようと思います。そうするとボディーとネックの継ぎ目からブリッジの位置がどれくらいかを計算して、指板の厚みと弦高とネックの差し込み角度からサドルの高さを計算して、みたいなことをやります。久しぶりに三角関数を使おうと思ったら見事に忘れていましたが、ネットで簡単な計算機を見つけてサドルの高さを求めることができました。

このギターはエレキギターみたいなエレアコです。変な表現?

エレキギターのボディーは薄いですから、ボディーの容積は小さいので音が小さいかもしれません。なので、少し細工をしてボディーの共鳴を強くしようと思案中。
始めての箱ものギター作りで、あまり小細工をするのは良くないかもしれません。音が良くても悪くても、何がその要因かを判断するのが難しくなりますから。同じ形の箱で細工の有無で比較ができればいいんですけど、すぐに2台作れないので簡単にはできません。
でも、やってみたいからやります。
で、こういうことをやると、元々想定していたものと違うものになってしまうので、購入したギター材だけでは作れません。エボニーのような堅い木材が少し必要です。なんとか手に入れないと。
  次は表板の接ぎ合わせです。裏板は接着を始めて6時間くらいたったので、たぶんボンドは乾いたと思います。たぶんです。実際はどれくらい時間が必要かはわかりません。タイトボンドはけっこう早く着くのでいいと思いますが、もしダメならやり直します。(2011/12/31記)
今日は大晦日です。ここで今年のギター制作は終了です。始めたばかりのギター作り。右往左往という言葉がぴったりの日々です。準備不足とうっかりが原因の失敗が多いように思います。いろいろな制作家さんのページを参考にしてやっています。果たしてそんなみなさんのような立派なギターを作れるようになるかと不安になりながら、自分が作りたいものができたときのことを想像してワクワクしながら、なるべくお金をかけないで、狭い普通の家の部屋でやるというスタイルです。

みなさんの作るギターを見て、これなら自分にもできるかもしれないと思って始めたギター作り。いろいろな失敗をしながら、ヨタヨタとギターを作っている僕のような人のページを見て、これなら自分にもできるという人がいるかもしれません。そんな繋がりが増えて行けば面白いと思います。

本年はいろいろとお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願い致します。

良いお年を!

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